書籍「決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本」のレビューです。
書籍情報
タイトル | 決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本 |
著者 | 吉田 浩 |
出版 | 明日香出版社 |
発売日 | 2025年3月13日(初版) |
価格 | 1,800円+税 |
ISBN | 978-4-7569-2392-9 |
はじめに
アドラー心理学は後世の自己啓発にも強い影響を与えたため「自己啓発の元祖」と呼ばれることもあります。
過去よりも未来に目を向ける姿勢や、勇気を持って自分の人生を選んでいくなど、現代人にも響く点が多く、今なお学び続けられているアドラー心理学の基本に触れられる書籍です。
本書の構成
各章構成は以下のようになっています。
- アドラー心理学とは?
- 人間関係がうまくいかないときは?〈コミュニケーションの達人になる〉
- 部下が思うように動いてくれないときは?〈マネジメントの達人になる〉
- 自分に自信が持てないときは?〈モチベーションアップの達人になる〉
- 新しいことにチャレンジできないときは?〈ブレークスルーの達人になる〉
- 運が悪いと感じるときは?〈グッドラックの達人になる〉
- チームの輪が作れないときは?〈チームビルディングの達人になる〉
- 自分を好きになれないときは?〈ポジティブシンキングの達人になる〉
- 何をやってもうまくいかないときは?〈パフォーマンスの達人になる〉
- 仕事も家庭もうまくいかないときは?〈ギバーの達人になる〉
参考:決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本 | 明日香出版社
見開きで1つのテーマを扱っており、文章による解説とマンガ化した内容で見れるという構成です。
224ページ(初版時点)というボリュームですが、タイトルにもあるように数時間程度で読了できる読みやすい本となっています。
感想
本書はアドラー心理学を現代の生活における悩みの解決法へ落とし込んだ実用的な一冊だと思います。
各章が「○○なときは?」というタイトルで構成されている通り、現代的な悩みがアドラー心理学ではどのように捉えられるか?という実生活に根差した内容となっています。
アドラー心理学の重要な考え方である「共同体感覚」や「5つの基本理論」について言及はありますが、用語自体の解説に重きを置いた内容ではなく、悩みを解決するためにどう考えるべきか?ということをアドラーや他の心理学者、現代の著名人(実業家やスポーツ選手など)も含めた言葉を引用しつつ書かれています。
そのためアドラー心理学を学問として専門的に学びたい人にはやや内容が足りないと感じられることもあると思います。本書はあくまでアドラー心理学を中心にした現代的な自己啓発書という位置づけだと感じました。
見開きで1つのテーマを扱っており、例をあげると「共感できる人になる」(1章より)「思い込みを捨てる」(5章より)のように非常にシンプルで今日から実践できるようなテーマが多いです。
マンガの内容は基本的には文章の要約となっているため、何か新しい情報が得られるわけではありませんが、見開き1テーマというシンプルな構成と合わせ、索引的な使い方ができます。
1年ほど前から読書の習慣ができて以来、いわゆる自己啓発本もいくつか読みました。以前は自己啓発の類に正直懐疑的な気持ちもあったのですが、改めて心理的な課題を「客観的に捉えること」は重要だと感じました。
何か課題にぶつかった時、あれこれ悩んでいるうちに物事を複雑に考えすぎてしまう時があります。そんな時には本書を開けば物事を客観的に、シンプルに捉え直す助けになるかもしれません。
アドラー心理学は学問として学ぼうとすれば難しい内容もあると思いますが、本書を通じてテーマはシンプルだと感じました。過去や他人に縛られるのではなく、社会に貢献しながら自分らしく生きるにはどうすればいいか?このように誰もが求めながらもなかなか実践できないことを体系的にまとめているのだと思います。
アドラー心理学も本書も万能なものではないかもしれませんが、少しずつでもこのような学びを得ていくことが大事なのだと思います。
最後に著者のメッセージを引用して終わります。
後は、読み終えたあなたがどのようにマインドを変えて、どのように行動し、人生を好転させるかだけです。
「おわりに」より
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