GeForce GameReadyとStudioドライバの違い

GeForceシリーズは現在Game ReadyドライバとStudioドライバの2種類が提供されていますが、どちらを入れれば良いかいつも迷うため違いを調べてみました。

結論

一般的な利用においてはどちらを選んでも大差ありません。しかしあえて言うならば以下の違いがあります。

  • 最新のゲームの機能や不具合へのいち早い対応を求めるならGame Ready
  • その他の用途(動画編集、AI等)ならStudioが無難

解説

NVIDIAのダウンロードサイトでは以下のように説明されています。

Game Ready

最新のゲーム、パッチ、DLC の初日サポートを優先するゲーマーの方は、Game Ready ドライバーを選択してください。

Studio

動画編集、アニメーション、写真、グラフィック デザイン、ライブストリーミングなど、クリエイティブな作業の安定性と品質を優先するコンテンツ クリエイターの方は、Studio ドライバーを選択してください。

基本的にこの説明の通りではあるのですが、具体的に何が違うのかこれだけだといまいち読み取れませんでした。各ドライバのリリースノートを見てみるともう少し具体的に分かってきます。

以下はGeForce Game Readyドライバー 576.28のリリースノートです。

ドライバーの詳細 | NVIDIA
システム用の をダウンロードしてください。 リリース

Fixed Gaming BugsとFixed General Bugsという区分で修正項目が並んでいます。

Fixed Gaming Bugsを見ると特定のゲームタイトルの名前が記載されており、あるゲームタイトルとGPUの組み合わせで発生している問題への対応が主であることが分かります。

Fixed General Bugsを見ると特定のソフトというよりは一般的な(General)問題への対応であることが分かります。

一方こちらはStudioドライバー 576.02のリリースノートです。

ドライバーの詳細 | NVIDIA
システム用の をダウンロードしてください。 リリース

Fixed Application BugsとしてDaVinci Resolve(動画編集ソフト)で発生していた問題への修正が書かれており、NVIDIAの説明通りゲーム向けの修正ではなく動画編集やグラフィックソフトへの対応を優先しているようです。

特定のゲームやグラフィックソフトで顕在化している問題であっても、展開の必要があればいずれはGame Ready/Studio両者で修正されるものと考えられます。

リリースサイクルにも若干違いが見受けられ、例えばバージョン572.70はGame Readyしか提供されていません。Game Readyは修正をいち早くリリースするという意味合いもあるようです。

NVIDIA公式サイトより

NVIDIAのドライバに限らず、ソフトウェア製品ではいち早く新しい機能を提供するリリースと、安定した動作を狙うリリースの両方が用意されることがあります。

例えばWindowsアップデートでは「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」というオプションがあります。いち早く新機能や不具合の更新が手に入る一方で、アップデート自体に不具合があったためにPCの動作に悪影響を及ぼすということも稀にあります。(これはWindowsに限らずソフトウェア全般で起こる可能性があることです)

逆に十分にテストされた安定版として、特定のバージョンを長く使えるようサポートするような仕組みもあります。Linux系OSなどで提供されるLTS: Long Term Support版はそれにあたるものです。

明言されているわけではありませんが、ゲームユーザーはいち早い対応や少しでも高パフォーマンスを求めるというユーザーも多いと思われ、NVIDIAもこのような仕組みを用意しているのだと考えられます。

なおパフォーマンスについては、いくつかのベンチマーク結果を見る限りほとんど変わらないようです。ゲームのタイトルによっては若干Game Readyに軍配が上がることもあり、一部微妙なチューニングが施されている可能性もあると思います。

まとめ

改めて結論をまとめます。

  • 一般的な利用の範囲においてはどちらを選んでも大差ありません。いずれどちらも同等に更新されていくからです。
  • 最新のゲームの機能や不具合へのいち早い対応を求めるならGame Readyが良いでしょう。特定ゲームタイトルの新機能対応や不具合修正がStudioより早く行われることがあります。その分、不具合が残っているバージョンを掴むリスクは多少上がると思われます。
  • その他の用途(動画編集、グラフィック、AI等)ならよく動作検証されたStudioを選ぶのが無難だと思います。

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