書籍情報
タイトル | 本当の自由を手に入れる お金の大学 |
著者 | 両@リベ大学長 |
出版 | 朝日新聞出版 |
発売日 | 2020/06/30 |
ISBN | 978-4-02-331878-6 |
価格 | 1,400円+税 |
概要
お金に関する教養を発信する著名YouTuberである両学長(YouTubeチャンネルページ)によるベストセラーです。
「貯める」「稼ぐ」「増やす」「守る」「使う」という5つの軸でお金に関する知識を総合的に紹介しており、金融リテラシーの基本を学ぶ最初の1冊としておすすめです。
感想
金融リテラシーを学ぶ意義
お金に関する本は世の中に多数あり、特に投資や節約に関してはそれに特化した書籍が多数発売されていますが、本書は節約、保険、税金、投資、副業など多岐に渡るテーマを幅広く取り扱った入門書と言える内容です。
私自身は現在一個人事業主であって、投資家でもなければお金の専門家でもありません。しかし一社会人として、基本的な金融リテラシー(マネーリテラシー)を身につける意義は大きいと考えています。
かねてより、普通に生活をしていてお金に関するリテラシーを学ぶ機会があまりにも少ないと感じていました。
私は理系の大学、大学院に進学した後、電機メーカーでエンジニアとしてのキャリアをスタートしましたが、キャリアの中でお金に関する教養を学ぶ機会はほとんどなく、当初は給与明細の読み方すら分かりませんでした。明細を見るといろいろ引かれているけど、税金や社会保険の仕組みすらほとんど知らない、そんな状況でした。
私だけが特別無知だったかと言えば、そうでは無かったように思います。同僚を見ても同じような状況だった人が多かったと思いますし、もしかしたらエンジニアという職種自体、お金に無頓着な人は多かったのかもしれません。
状況が少し変わったのは個人事業主として独立してからでした。自分で帳簿を付けるようになり、確定申告も行う必要があったので、否応なしに最低限の知識を学ぶ機会がありました。
専門外のことだったので最初はかなり苦労したのですが、そこで会計の基本や税金や社会保障の基本的な仕組みを知ったことで、お金に関して学ぶことも面白いし、とても有意義だと感じるようになりました。
お金に関して語ることは、状況によってはあまり好まれないこともあるかもしれません。一方で生きていく上では外せないテーマでもあることも事実です。
自分のお金をどう増やし、どう使うのか。社会保障や税金として払ったお金がどう使われているのか、そういったことをまずは知ることが、少しでも豊かな生活を送るための最初の一歩だと感じています。
本書はあくまで「入口」
本書の構成は「貯める」「稼ぐ」「増やす」「守る」「使う」の5つの章からなっています。特に最初の「貯める」は主に節約に関する解説であり、本書の約半分を占めています。
節約と言っても家庭的な節約レシピや電気代の節約という話ではなく、保険や家賃、自動車などの出費をどう考えるか?という内容が主となります。忖度のない視点で、あなたにとって本当にこの出費は必要?ということに切り込んだ本は、実はあまり多くないように思えます。
お金に関する本ということで、もしかすると投資の話に期待する人が多いかもしれませんが、投資に関しては3章「増やす」にて投資の仕組みや心構え、どんな投資対象があるかという基本の解説に留まっており、具体的なテクニックについて深く突っ込んだものではありません。
第2章のお金を「稼ぐ」についても、転職や副業の解説を基本としており、誰もがすぐに実践できる内容ではないかもしれません。
しかしこれを入り口に自分の興味の湧いたテーマ、取り組んでいきたい個別のテーマを深堀りしていっても良いと思います。
文面はチャンネルのイメージキャラクターが関西弁で解説するという取っつきやすい雰囲気となっており、300ページ近いボリュームがありつつも数時間あれば読了できると思います。
本書はあくまで「入口」に過ぎないかもしれませんが、少しでも豊かな未来に向けて勉強を始める最初の1冊としておすすめです。
「なんでもっと自由に生きられないんだろう?」
今よりもずっと前、10代の学生の頃から常々そう思っていました。
(中略)
この本の内容を一つでも実行してみて下さい。実際に行動しないと、何も変わりませんが、行動すれば未来は変わります。
「おわりに」より
商品リンク
今回レビューした本は以下です。
現在は改訂版も出版されています。
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