HHKB StudioからREALFORCE R3に乗り換えた理由

デバイス

HHKB Studioのレビュー記事を書いてから3ヶ月も経っていませんが、新しいキーボードを買ってしまいました。

REALFORCE R3のR3HC11というモデルです。

型番R3HC11
配列日本語
サイズテンキーレス
スイッチ45g 静音
接続方式ハイブリッド(有線/Bluetooth)
主なスペック

この記事ではHHKBのどうしても慣れなかった部分と、テンキーレスのREALFORCEに行き着いた理由を書いていきます。

HHKBから乗り換えた理由

HHKB Studioは良いキーボードだと思います。

HHKBを買うまではフルサイズのREALFORCEを利用していました。数値を入力する機会もそこそこありましたし、組織で支給されるキーボードも通常はフルサイズが多いと思うので、何だかんだフルサイズが使いやすいだろう、と考えコンパクトサイズに触れる機会はほとんどありませんでした。

しかしHHKBを使い始め、コンパクトサイズならではのマウス操作のしやすさ(マウスとの距離が近い)や机を広く使うことができるという良さに気づくことができました。

ただ、HHKBでどうにも慣れない点が1つあり、それが独立したファンクションキーが無く、Fnキーとの同時押しになってしまうという点です。

文章を入力する際、ファンクションキーを使う場面は多くはありません。F7のカタカナ変換は使うこともありますが、この程度であればFnキーとの同時押しでもさほど問題を感じません。

厳しいと感じたのは、開発環境のショートカットキーを使う時です。

私がメインで利用しているVisual Studio Codeにおいても、よく使うファンクションキーには以下のようなものがあります。

  • F3 検索時次に進む、前に戻る
  • F5 デバッグの開始、デバッガの「続行」
  • F10 デバッガの「ステップオーバー」
  • F11 デバッガの「ステップイン」
  • F12 定義に移動

特にデバッガ関連はマウスも併用しながら操作することも多かったため、独立したキーとして押せる方が良いと感じました。ファンクションキーはCtrlやShiftとの同時押しをすることも多く、HHKBの場合はFn含め3キー同時押しになってしまうのも少し使いにくいと感じる場面でした。

キーの割り当てはもちろんエディタ側で変更可能ですし、HHKBのキーマップ割り当てで空いているキーに割り当てることも可能なのですが、やはり頻繁に使うもので、キー数も多いと限界はあります。

使用するソフト次第でしょうが、開発環境やゲーム等でファンクションキーのショートカットを常用されている方は少し注意が必要な点かもしれません。

新しいキーボードのレイアウト候補

以上のような理由から、ファンクションキーがあるキーボードを新たに選ぼうと考えました。

昨今のキーボードブームで様々なレイアウトのキーボードが登場していますが、いわゆるコンパクト系とされるレイアウトのキーボードはファンクションキーが省略されることが多いように思います。

ファンクションキーありで、(比較的)一般的と思われる配列を大きい順に並べると

  • フルサイズ
  • 96%サイズ(フルサイズの矢印キーエリアを圧縮したもの、Maestro 2Sなど)
  • テンキーレス
  • 75%サイズ(テンキーレスの矢印キーエリアをシンプルにしたもの、ELECOM VK720Aなど)

などがあります。ここから、自分に必要なキー、そうではないキーを選んでいくことになります。

まず、HHKBのコンパクトさは魅力だと感じていたので、フルサイズ以外から選ぼうと考えました。

テンキーについてはあると便利だなとは思っていたのですが、こちらはHHKBで入力をしているうちに上部の数字キーを扱うのに慣れてきたため、必須ではないと感じるようになりました。

文章入力中に現れる短い数字、例えば「2024年」程度の入力においては上部の数字キーの方が適しているように思えます。ただ数字をメインで入力する場面、私の場合帳簿の金額の入力等においてはテンキーのほうが適しているように感じます。また、テンキーの場合四則演算の記号+ – * /がShiftを押さず表側に出てきているので、計算式をよく入力する場合にはテンキーのほうが適していると感じます。

ただテンキーについては外付けのものを使うこともでき、その場合キーボードの左側やマウスの右側(右利きの場合)にテンキーを置けばマウスとの距離を近いままにできるという方法も知ったため、必要があれば外付けのテンキーを導入すれば良いと考え、今回はテンキーが無いレイアウトから選ぶことにしました。

ファンクションキーあり、テンキーなし、という選択肢だと75%サイズは良い候補でした。しかし現時点ではまだ希少な配列であり、日本語配列では満足の行く選択肢が見つからなかったため、今回は見送りとしました。

そして最終的にはテンキーレスサイズに行き着きました。テンキーレスはゲーミングなどを中心にラインナップも多く、打鍵感や細かいスペックの違いで選ぶことができるのが魅力だと思います。

REALFORCEの感想

REALFORCEはHHKB以前にも使っていたので、打鍵感が良いことは分かっていました。様々なキースイッチが登場した現在においても、静電容量無接点方式の打鍵感は素晴らしいと思います。

今回、初めて静音タイプの静電容量無接点スイッチを触りましたが、通常タイプのものより好みでした。以前使っていたものと同じ45g荷重ではあるのですが、ややキータッチが軽く(気のせい?)、打鍵音も優しいので疲れにくく感じられます。

通常タイプのカチャカチャという打鍵音も軽快で良いのですが、静音タイプのやや擦れるようなスコスコという音も耳馴染みが良く、通常タイプとは違った良さを感じられました。これは騒音のある店頭で試した時はあまり分からず、自室で入力して初めて良さに気づけた部分です。

また、REALFORCEはスペースバーの長さもちょうどよいです。HHKB Studioのレビュー記事でも紹介した通り、私はスペースバー左右の変換/無変換をIMEのオンオフに割り当てるという、Mac風のIME切り替えをWindowsでも使っています。そのためスペースバーは長すぎても短すぎても違和感があるのですが、REALFORCEは素晴らしいことにMacの日本語配列とほとんど同じスペースバーの長さとなっており、乗り換えても違和感がありません。

REALFORCE R3のスペースバー
MacBookのスペースバー

スペースバーが極端に長いキーボードの場合、それによって変換や無変換、Ctrlなどの修飾キーが小さくなってしまう場合があります。REALFORCEではそれらの修飾キーが通常キーよりやや大きめになっており使いやすい点も良いと思います。

また、R3ではキーマップを2つ切り替えて使うことができ、片方をMac用のキーマップにしておくことで、1つのキーボードを共用することが可能になっています。キーボード右上のスイッチを押すことでマップを簡単に切り替えられ便利です。

右上のボタンを押下するとA,Bのランプが点灯し、どちらのキーマップを利用しているかが分かる

なお、R3はMac向けモデルも発売されていますが、この記事で紹介しているR3HC11もシステム要件としてMacにもきちんと対応しているようです。

REALFORCEは尖ったスペックは無い分、上質なキータッチ、教科書的な使いやすい配列、全体の質感などが高レベルでまとまっているのが好印象です。

最後に

エンジニアにとってキーボードはメインの仕事道具なので、少し紆余曲折ありましたがキーボードについて一度真面目に考える機会があったのは良かったと感じています。

近年のブームでキーボード沼にハマる人が続出していると聞きますが、確かにとても面白いと感じました。

自分に合ったキーボードを選べば生産性も向上すると思いますが、こだわりすぎてそればかりに時間を取られたり、新しいキーボードに慣れるのに時間を取られてかえって生産性が落ちてしまう場合もあるように思えたので、できればほどほどに、これを最後にしたいと考えています。(これがフラグにならなければいいですが)

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